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いよいよ日曜日。 朝から服を選びまくってスカートなんて履きなれないものを履いて出かける。 本当に来てくれるのかな。 あれから一週間だし。何の連絡も取ってないし。 あたしの勝手な一人よがりだったらどうしよう。 約束の場所に着く。まだ来ていない。 いややっぱり来ていないのかもしれない。 がっかりしながら壁にもたれていると彼の姿が見えた。 「あ、よかった来てくれたんですね」 よかった。来てくれた。どうしよう服すごくかっこいいよ。 警備員姿も素敵だったけどラフな格好もすごく似合ってる。 あーなんかあたしデブだし。 小日向さん細すぎだし、つりあわないかも。 「ごめんね。待たせただろ?」 「いいえ。あたしも今さっき来たところですから。 でも来てくれてほんとによかったです」 「それはこっちのセリフだよ。そんなおしゃれまでしてきてくれてさ」 「・・・お、おしゃれなんて・・・でもどんな格好でもあたし来ましたよ」 当たり前。たとえジャージしかなくても小日向さんに会うためなら来る。 小日向さんも俺も来たよって言ってくれてすごく嬉しかった。 お互い顔を見合わせて笑う。 あーやっぱりかっこいいな。 あたしは157cmだしきっと175cmくらいはあるよね。 何で彼女いないんだろ?不思議だな。 「じゃ、改めまして・・・これ俺の携帯です」 「あ、すいません。じゃ写させていただきます」 二人で喫茶店に入り、コーヒーを飲みながら番号交換をする。 あたしは一生懸命番号を打ち込むふりしてそっと小日向さんを見ていた。 目は奥二重か。 「小日向さんは・・・」 「陽でいいよ」 「え?」 「長い苗字だし、呼びにくいだろ?俺もすずちゃんって呼んでいいかな?」 「は、はい。あ、陽さんでいいですか?」 きゃーすずちゃんだってどうしよう。あ、陽さん?! あーどうしよう口にするだけで顔が赤くなる。 あたし陽さんに恋しちゃったのかもしれない。ううん恋してるよ。
side Akira
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