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太るなんて気にする彼女をまたからかう。しかし、半分もらうか。まあいいかな。

俺は店員を呼んでラーメンを2つと餃子を1つ頼んだ。彼女がじっと店員を見ている。

細いなぁ。何食べたらこんな細くなるんだろうな。


「細いな」

「・・・やっぱり女の子は細いほうがいいよね」
                 
「え?」


やべ。またそんなつもりで言ったわけじゃねえのに

誤解されるような言い方しちまった。


「でも俺はあんなに細い子よりふわふわしてる子のほうが好きだけどな」

「・・・嘘つき」

「信じてくれないの?」

「・・・信じる」

「よしOK.。すずちゃんはそのままでかわいいんだから」


かわいいな。でもあんなふうに言うなんて

彼女やっぱり自分の体系を気にしてんのかな?

そんなデブじゃないんだけどな。でも信じてもらえてよかった。

やっぱ俺、彼女のこと好きだな。

まだ会ったばっかだけど、そんなん関係なく好きだ。

ラーメンが運ばれてきて二人で食べる。うまそうに食うな。

こんなにうまそうに食べる子と飯食うと

何でもうまく感じられそうな気がする。


ラーメン屋を出て外の空気を吸う。風が気持ちいいな。

すずちゃんはなんだか少し表情が曇っている。

うまくなかったのかな?


「うまくなかった?」

「ううん。あたし、食べすぎて・・・女じゃない」

「何言ってんだよ。そんな食ってねえじゃんか」


餃子もラーメンもうまそうに食ってたもんな。

って何で泣きそうなんだ?

とりあえずこのまま帰すわけにはいかない。

俺は彼女に公園にでも行こうと誘った。


「どうした?」

「・・・あたしもう帰る」

「どうしたんだよ?」


公園に着いてベンチに座るといきなりそんなことを言う。

さっきまでうまそうに食ってたのに。

何があったんだ?あの店員か?

とにかく帰らせるわけにはいかない。

立ち上がろうとする彼女の腕を掴んだ。


「だってあたしこんなに食べてデブだし、
陽さんと一緒にいたらつりあわないんだもん」


この子は。何でそんなにそればっか気にしてんだ?

うまそうに食ってたから俺は十分だったのにな。


「釣り合わないとか関係ないだろ。
俺はすずちゃんがかわいいと思うし、
うまそうに食う姿も凄い見てて幸せだし。
今日一日デートできて良かったって思ってるけど

「・・・でも・・・」

「でもじゃなくってすずちゃんはどう思った?
俺は今日一日だけどすごいすずちゃんのこと好きになったけど」

「うそ?だってあたしデブだよ。かっこいい陽さんとは釣り合わないよ」

「あのね、それを言うなら俺はおっさん。
俺は全部含めてすずちゃんが愛しいんですよ。
俺のかわいいすずちゃんをいじめないでよ」


俺、何言ってるんだ?

こんなこと言うつもりじゃなかったのに。

でもすずちゃんがあんまりにも卑屈になるから言ってしまった。

ちょっと早いとは思ったけど。

それでも気持ちに嘘はねえし、

こんな卑屈なすずちゃんですらかわいいと思ってしまうんだもんな。

ほっぺたをつねってみた。すげえやわらかい。

     
「ほんとに?」

「ほんと」

「ほんとにほんと?」

「ほんとだって。俺はすずちゃんが好きだから付き合ってほしい」


言ってしまった。少し早いよな。

だってまだお互いのこと何もわからないままだし。

それに会って一週間。出会い系未満だ。

それでも言わずにいられなかった。

俺ってこんな気の早い男だったかな。彼女の答えはわかってる。

でもそれでも聞かずにいられなかった。


「だってあたし・・・」

「その超マイナス思考も全部含めてすずちゃんが好きなんだ。
すずちゃんはどう思う?俺のこと」

「あたしは・・・あたしは陽さんが好き。 でもあたしはデブだし、
陽さんとは釣り合わないって・・・」


まさか好きだといってもらえるとは思わなかった。早すぎたって思ったし、

彼女はかわいい。

大学生なら学校でいいやつがいるかもしれないって思った。

でもOKしてもらえて嬉しいし、何より幸せだ。


「釣り合わないはなし。よし、俺らは両思いだな。
まだ出会って一週間だけどこれからもよろしく」

「あたしでいいの?」

                 

俺はそう言って彼女を抱きしめた。

マジでやわらけえ。こんな女の子初めてだ。

本当ならキスもしたかったけど、餃子食っちまったしな。

俺は彼女の耳元で餃子味は嫌だからまたねとささやいた。

顔を赤らめてバカと言う彼女。
     
本気でかわいい。

花火大会なんてもうこりごりだって思ったけど彼女に出会えたんだし、

今年は感謝だな。

これからよろしく。花火大会で出会った俺のかわいい彼女。





 



初めて両方視点で書いてみたんですがどうでしょうか?
楽しんでいただけましたか?陽くんは大人なんだけど少年っぽさを
残しつつ書いてみました。けっこう彼好きですね☆☆
あとすずちゃんは少しノンフィクかも(笑)
だって最近の女の人ってみんな細いじゃないですか。
一体何食べて生活してるんでしょ?
とにかく1000hit小説として書かせてもらいました。
感想いただけたら嬉しいです^^
これからも宜しくお願いします☆☆