tonight



そういえば・・・あたしたちって付き合うことになるの?

だけど央は?あんなのとは付き合う気はないけど・・・。

隼人はどう思ってるの・・・?


「ねえ隼人・・・」

「ん?」

「あたしたち付き合うのよね?」


あの後大量の砂まみれにあったあたしたちは家で散々お説教をされた後、

それぞれシャワーを浴びて寝室にする部屋にいた。

隼人はタオルを首に巻きながらごしごしと頭を拭いている。


「ぷっ、お前そんな顔で話しかけるなって」

「え?!」


そ、そうだったあたし隼人がいない間にパックしちゃおうと思ってやってたんだった。

だからって笑うことないでしょう。ひどすぎる。

めりめりと音を立ててパックを外した。もう乾ききってたしね。

でも、隼人はまだ笑ってる。もう知らないわよ。

あたしはそのパックをぽいっとゴミ箱に捨ててふとんに入り、ふて寝した。


「おい、どうしたんだよ?悪かったって」

「・・・いいわよ。別に」


確かに耳元で好きって言ってくれたわよ。

だけどこれからのことなんてまだ決まってないでしょ。

あたしたちどうするの?このままの関係を続けるの?


「・・・付き合うってかもう付き合ってるんだって」

「え?!」

「だから寺元にも渡すつもりもないし、誰にも渡さない」

「・・・隼人」


あたしの横でそんなことを言うもんだから思わず顔を向けたら真剣な顔してた。

嬉しい。あたしこんな気持ちになったの初めてかもしれない。

今までの恋って遊んだりするだけだったから。

もちろん誰ともそんな関係になったことなんてない。

だから百戦錬磨っていうよりもただの来るもの拒まずだったのかもしれない。

捨てられて付き合っての繰り返し。

やっぱり寺の娘だからそういうとこだけかっちりしてたのかも。

今になってはよかったけど。


「明日言えよ。お前は俺のものになったって」

「え?ちょ、ちょっと話が急展開ですよ。隼人さん」

「・・・もう我慢できない」


隼人があたしに覆いかぶさってきて唇が触れそうになる。

もうこのまま辻宮のものになってもいいかな。そう思ったときだった。


「隼人、未彩はいるぞ」

「?!」

「・・・・この新鮮なお堂でお前ら何しとるんじゃ!!!」


おじいが入ってきてあたしたちは完全に引き離されてしまった。

この先、不安です。

でもあたしたちはまだ始まったばかりだもの。

焦らずゆっくりとお経を唱えるように進んでいけばいいわよね。