☆☆Watch only me☆☆



今日は俺の謹慎が解ける日。

俺は未彩にも俺の謹慎が解けるまで学校には行かせなかった。

だから俺たちはあれから初めて学校に行く。一応颯太には未彩と付き合ったことは言った。

あいつ、俺らがくっつくのは時間の問題だって言ってたからな。そしたらやっぱり喜んでくれた。

さぁ問題は寺元だ。俺を謹慎処分にさせて未彩の唇を奪い、プライドを傷つけた。

会って俺は正気を保っていられるのだろうか。もう一度拳がうなるかもしれない。

そんな俺に気が付いたのか制服姿の未彩がじっと俺を見る。

そっか。あの時誰よりも怯えていたのは未彩だった。そして俺を止めてくれたのも…。

もう未彩を悲しませたくない。俺は心配そうな未彩の頭に片手をそっと置いた。


「心配するな。何もしない」

「ほんとよね?もう殴ったりしないでよ。私、もうあんなの嫌よ。」


ここまで彼女に心配をかけてたのか。大丈夫だ。俺はもう一度念を押した。

未彩は安心してくれたみたいだった。そして俺の手をぎゅっと握る。

もしまた暴走しても大丈夫だろう。この手があるから。


教室に行くとみんなが俺たちを見た。当然だろう。繋いだ手を解かないままだったんだから。


「未彩、お前…」


寺元が俺らのほうにじりじりと近づいてくる。何を言われてもこの手は離すつもりはない。

俺は繋いだ手にぎゅっと力を込めた。その時だった。

その寺元の行く手を阻んで何人もの男子が俺らに近づいてきた。ぱっと手を離す未彩。

そうだった。寺元のことばかり気にしてたけどこいつは自称百戦錬磨だった。

どういうことだよ?説明してくれよ?そんな声が耳に入ってくる。

未彩はちらちらと俺を見るけどなんだか俺はイライラする。

他の男が未彩に話し掛けるだけで見るだけでそれが増してくる。

俺はその場にいるのが嫌になり、教室をでた。嫉妬深いとは思ってた。

だけどここまでひどいと中毒だな。自分でも笑える。そう思って屋上に行った。

しばらくすると階段を駆け上がる足音が聞こえる。

ばんと音を立てて扉が開かれると今にも泣きそうな顔をした未彩が立っていた。

ゆっくり俺に近づいてくる。


「隼人…」
              
「…」

「怒ってるの?」


未彩の言葉にも返事が返せない。今口を開いたら何を言うかわからないから。


「…隼人何か言って」

「…他の男なんかと喋るな」

「えっ?」


驚いた表情で俺を見る未彩。仕方ないだろ。俺は人よりも嫉妬深くて独占欲が強い。

話し掛けられてるだけで腹が立つくらい。


「…話さない。もう全員切ったし携帯のメモリーも消すわ。だからもう離れたりしないで」 


そう言って未彩はぎゅっと俺にしがみついてきた。離れるわけないだろ。

こんなに俺は嫉妬深いくらいなんだし。

当たり前だろと俺は未彩をぎゅっと抱き締めた。